会長挨拶


第24回日本脳神経血管内治療学会北海道地方会
会長 山﨑 貴明
(医療法人社団 函館脳神経外科病院 副院長・脳卒中センター長)

 

 このたび、2023年7月29日(土)に開催される第24回NPO法人日本脳神経血管内治療学会北海道地方会学術集会の会長を務めさせていただくことになりました。 

 北海道における脳血管内治療は、諸先輩方の努力によって徐々にこの地域にも浸透してきましたが、世界的に見ても、また日本国内における浸透率からみても依然として低いのが現状です。より高い脳卒中診療を実現するには、私たち脳血管内治療に携わる者のさらなるレベルの向上が必須となっています。
 テーマは“レジリエンス(resilience)”といたしました。レジリエンスとは、回復力、しなやかさといった意味があります。逆境やトラブル、強いストレスに直面した時に、しなやかに適応し解決、回復していくことです。脆弱性、Vulnerabilityの反対の概念とされています。
 脳血管内治療は、時に非常に厳しい局面に立たされることがあります。術者のみならずその治療に携わる人々、そして患者さんが困難な状況に直面します。そんな時、レジリエンス、すなわち柔軟な発想、感情のコントロール、仲間の力で難局を乗り越えることができる時があります。また一方で、最善を尽くしても、患者さんにとって満足のいかない結果となってしまうこともあります。術者、医療チームは精神的ダメージを受けますが、それ以上に、患者さんやその家族の方々は大きな精神的、肉体的ダメージ受けることになります。こんな時こそ、困難に直面しても前にすすみ、そして回復していく、レジリエンスが必要です。
 脳血管内治療はデバイスの進歩に伴い、飛躍的に適応症例が拡大され、安全性も高くなりました。しかし治療をするのは私たち人間であり、治療を受ける患者さんも人間です。双方のレジリエンスが、今後デバイスやIT技術が発達しても最も重要な普遍的要素であると考えております。
 また特別企画として、各施設で経験した厳しい局面となった症例を提示していただき、その症例を共有することで参加者のレジリエンス向上につなげたいと思います。
 学術集会では、新進気鋭の若手、中堅、そしてベテランまで垣根なく、容赦ない意見と活発な議論をしてください。演者、座長、聴衆一丸となって、一人でも多くの患者さんを救うのにはどうしたらいいのかを議論してください。参加者みんなで問題を共有し、レジリエンスを高め明日への治療へとつなげられるような会にしたいと思います。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2022年12月吉日