大会長挨拶
- 日本緩和医療学会 第5回北海道支部学術大会
- 大会長 藤原 葉子
(ホームケアクリニック札幌 院長)
この度、2023年8月26日(土)に、札幌医科大学を会場として、日本緩和医療学会 第5回北海道支部学術大会を開催する運びとなりました。
日本緩和医療学会は1996年に創設されて以来発展を続け、現在の会員数は約12,000名となり、2018年からは緩和医療のさらなる発展とより一層の普及・啓発を図るために各地区に支部が設立され、活動が更に広がっております。
第5回の北海道支部学術大会のテーマは、「緩和ケアにおける多様性~多様化するニーズに我々はどう応えるべきか~」と致しました。がんの緩和ケアはシームレスからパラレルケアへ移行しており、非がんの緩和ケアも広がりを見せている中、緩和ケアの場は、緩和ケア病棟・外来だけでなく、治療科や一般病棟、介護施設及び在宅においても行われ、対象患者さんはますます多様化しています。
在宅に注視すると、コロナ禍において緩和ケア病棟でさえ面会制限が行われる中、以前であれば在宅を選ばなかったであろう人々が在宅緩和ケアを選ぶようになり、在宅緩和ケアのニーズが高まっています。プログラムには、多様化するニーズに日々直面し困惑する臨床家の臨床疑問に答えるような内容となっております。具体的には、困難事例の背景にある発達障害の理解を深める講演、高齢者の思考傾向の理解を深める行動経済学の講演などを予定しております。本学会が、北海道で緩和ケアを担う者同士だけでなく、在宅緩和ケアを担う家庭医の先生や訪問看護の方、介護の方、福祉の方など、多職種参加となり、明日の診療につながるような機会となれば幸いです。