大会長挨拶
第19回長時間透析研究会
会長 伊藤 洋輔
(医療法人社団 にれの杜クリニック)
この度2024年11月30日(土)~12月1日(日)の2日間、ライフォートホテル札幌におきまして、第19回 長時間透析研究会を開催させていただく運びとなりました。
本研究会は2005年に第1回大会が開催され、今回が19回目と、節目となる20回大会の 直前の大会となります。2005年当時、透析導入平均年齢が66.2歳であったものが、2021年年度末調査では71.1歳まで上昇し、このトレンドは今しばらく続くものと予想されます。本来QOL・ADLの改善、透析合併症の低減を目的として発展してきた長時間透析ですが、この高齢化により透析導入時には既にQOL・ADLが低下した状態の患者さんが多い状況で、どこまでその有用性が享受可能かというところが懸念されます。また、ここ数年の著しい物価上昇は、2018年に新設された長時間透析に付与された診療報酬加算を凌駕するところであり、長時間透析に伴う材料費、水道・光熱費、そして人件費の高騰は長時間透析に対する逆風となってきております。
このように長時間透析には厳しい趨勢なのかと思い、昨今の流行りであるAI,ChatGPTに今後の長時間透析について聞いてみました。
長時間透析が今後の日本においても注目を集める可能性があります。これは、長時間透析が透析患者に対してより柔軟で効果的な治療を提供できるとされているためです。具体的なトレンドや新しい治療法の導入については、透析の専門家や関連する医療機関の最新の研究やガイドラインを確認することが重要です。透析治療においては、患者の個々の状態や要望に基づいて最適な治療法が選択されるべきです。また、患者と医療プロバイダーとのコミュニケーションが良好であることも重要です。医療技術や治療法が進歩する中で、患者にとってより良い生活の質を提供できる方法が模索されるでしょう。
思いのほか、肯定的な回答が返ってきました。
そこで、今回の長時間透析のテーマはさらに前を向いて、という意を込めて“The Next Step ~ 長時間透析の未来に向かって 〜”とさせていただきました。
透析導入時の療法選択からしっかり患者さんとコミュニケーションをとり、腎移植・施設透析・在宅透析、そしてCKMについて提示し、さらにはそれぞれの療法のさらに多様化した治療法のひとつとして長時間透析をしっかり打ち出していけるよう議論の場になればと考えております。特に北海道では長時間透析を施行している施設はまだ少なく、それらの施設に興味を持っていただけるようなプログラムも盛り込ませていただきました。
今回は、現地開催のみとして準備をすすめております。12月の札幌はかなり寒いですが、昼は会場で活発な議論により、そして夜は北海道ならではの宴で熱く盛り上がっていただけますことを祈念しております。皆様方のご来道をお待ち申し上げます。