JSEV

第10回
日本細胞外小胞学会
学術集会
- Japanese Society for Extracellular Vesicles -

ご挨拶

2023年10月23日~10月24日に北海道大学学術交流会館にて第10回日本細胞外小胞学会学術集会を開催させていただきます.

細胞外小胞は,細胞から分泌される小胞体で,2007年に細胞間に生命情報分子を運ぶことが報告され,世界中で活発に研究されるようになりました.これまでの基礎研究により,細胞間,臓器間シグナル伝達の担い手としての細胞外小胞の生理的,病理学的な多彩な機能が明らかにされ,大変注目されています.さらに細胞外小胞の産業応用を目指した研究も進められています.特に欧米諸国において再生医療,がん治療,薬物輸送システム(DDS),液性診断,ワクチンなど様々な分野における実用化研究が大規模に進められています. 

我が国においても国内の細胞外小胞研究者の交流の場として2014年に日本細胞外小胞学会(JSEV)が設立されました.本学会は特定の疾患や研究分野に特化することなく,微生物から植物,高等生物と幅広い生物を対象に,生物学,理工学,農学系の基礎研究分野から産業分野まで異分野交流が盛んであることが大きな特徴です.学会が設立されて今年で10年という節目を迎えますが,我が国の細胞外小胞の学術研究は大きく発展し,産業界との連携により新たな技術も次々と開発されつつあります.

第10回学術集会では,「細胞外小胞の未来を見つめて」をテーマに掲げました.人類の幸せのために細胞外小胞研究の成果を活かすには何ができるかを考える場にしたいと思います.これまでの研究を俯瞰し,細胞外小胞の実用化にむけて解決すべき課題などを挙げ,異分野の研究者が活発に議論できる会となるよう企画いたしました.実り多き学術集会となりますよう,皆様多数のご参加をお待ちしております.

2023年2月吉日

第10回日本細胞外小胞学会学術集会 大会長
北海道大学 大学院歯学研究院 血管生物分子病理学
樋田 京子